三ヶ尻愛美【溜まってゆく夜のフィルムを剥がすグルーブ】


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三ヶ尻愛美:言葉を詰め込んだマイナーシックス・ナインス

ギターの軽いカッティングと、マシンガントークのような歌詞。
m6やm9、ナインス。
テンションのかかったコードをストロークすると、溢れ出るイメージ。

この「腰」にくる横揺れグルーブは、この日サポートで入っていたフレットレスベースのせいかな?
いや、違う。
このリズムは三ヶ尻愛美のもののようだ。

ギターのミュートや空弾きが気持ちがいい。
ライブが「始まる」予感を投げる。

 

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三ヶ尻愛美:歌のキャラクターを演じることで、浸透圧を高くする

夜の音。
非常階段に、あかりの落ちたプールに、人のいなくなったビルに。
ひっそりと溜まってゆく「夜」。

三ヶ尻愛美は夜を集める。
薄く溜まっていって、息苦しくなってる僕らの心から、夜を抜き取ってゆく。
いやだなあと思うことや、ツライなあと思うことを「共有」しながら。

MCから感じる彼女の「きっぷの良さ」は歌を届けるためのパフォーマンスなのかも。それともまだまだ20数年の人生経験で得た「コミュニケーション術」?素敵だ。

警戒心を払う、笑い声とおしゃべり。
初めてあったはずなのに、ずいぶん話したことがあるような親近感。既視感。
大きな声で笑う彼女は、幾つもの傷を治してきたんだろう。
自分のものも、誰かのものも。

大名のシャングリラというライブバーのロケーションのせいか、暖かい傷跡が柔らかい灯りで治癒されるような印象。

彼女は人を「癒やそう」なんて思いはさらさらないのだろうが、「傷」や「痛み」を共有することでそのツラさは確実に薄まってゆく。

 

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三ヶ尻愛美:夜中にふと、目覚めた時のあの感じ。

アロマのイメージが広がる歌があった。
眠る時につけた、ディフィーザー。なんのオイルかはわからないけれど。

眠りの間に、ふと目が覚めて。

隣で誰かが寝ている時も、ひとりぼっちの時も。
シーツに残る湿気と、香り。
夢か現実かわからないその一瞬。部屋の角にたまる夜。
穏やかでさびしい。

この感じが好きだ。

 

 

三ヶ尻愛美:迷いながら、生きるのは彼女か、僕らか。

終盤で歌われた「迷いながら、生きる」という歌。
優しいさびしさや、広がる暗闇を歌いながらも、たいまつを持って前へ進む歌。

負けたことのあるすべての人たちへのマーチングバンドの演奏のように、高らかに、高みを目指して一歩一歩進む歌。

喜びも悲しみも引き連れて、彼女は進む。
その列に加わるか、見てるだけにするか。選ぶのは僕らだ。

 

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三ヶ尻愛美:【ミニンタビュー:歌うこと、音楽を届けること】

自分が気持ち良く乗れるグルーブをもっと出したい。
リズムが好きで、私の中にあるリズムをもっともっと出したい。上手に(笑)
アコースティックでやってるけど、踊れる音楽が好き。
軽く体を揺らすお客さんを見ると嬉しいですね。

福岡で活動を始めて。今は東京。
いろんな街でライブをしてきました。去年は年間100本を超えるくらい。
そこで感じたことは、
歌を聴いてもらえることの喜びと、伝わらなかったガッカリ感(笑)

私、かなり真面目で(笑)こう見えて。
エゴサーチして凄く落ち込むこともある。
でもライブを重ねていくうちに少しだけタフになったし、優しくなったかな??

歌うこと、音楽を届けること。
それは私の思ってることを伝えることでもあり、聞き手に受け入れられるものを提供することでもあると思うんです。

会社帰りにふらっと寄ってもらえたこと。
それはすごく嬉しいこと。
だから私は、そんな人のために歌いたい。

迷いながら生きることは、素敵だし。
音楽とお酒と(笑)を共有したい。
1日の終わりに乾杯したいな。

 

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